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専門職にしかわからないこと

専門職にしかわからないこと

こんにちは!

今回はお客さんと美容師の感覚の違いについて書いていきましょう。

感覚なんて人それぞれなので、それぞれが正解だし、多数派が正解ってことではないけど、美容師の場合はお客さんの感覚をくみ取って、切ったり染めたりしていく職業なので技術だけではなかなか難しい職業だよねと常々思ってます。

感覚の共有が大事。

「他人のことなんて気にしなくていいよ!」と生きてる山田も、世間の多数派になりたいお客さんも多いし、その要望に応えるためにも世間の人気を把握しておいた方がいいのが美容師。

そんなちょっと複雑な話。

感覚のボーダーライン

味覚で例えましょう。

僕は食べることが好きですが、味覚が優れているわけではありません。

コーヒーも好きなんですが、詳しくはありません。

もともとブラックのコーヒーが飲めなかった僕も、よく通っていたカフェでコーヒーの話を聞いたりしていたら、元々よく飲んでいたカフェラテが飲めなくなり今ではブラックのコーヒーが一番好きです。

コーヒーが飲めなかったころ、“ブラックコーヒー=苦い”だけの感覚だったのに、

カフェのドリップコーヒーイベントに参加してからは、入れ方や豆の種類、によって味が全然違うことに気付いてしましました。

そこら辺からですね、コーヒーが飲めるようになったのは。

“フルーティ”とか“深煎り”はちょっと苦手ですが、カフェで飲むブラックコーヒーはほとんどが“おいしい”です。おいしいから上はすべて、おいしい、です。

一定のボーダーを超えたら“おいしい”なんです。

でもバリスタの人達って好みとはまた違った感覚が優れていて、美味しいの他にも、味覚とか苦味とか濃くとか後味とかもっと細かい味についてわかるんでしょう??

僕の大好きな肉もそう。

豚肉より牛肉が好きですし、外国産より国産の方が好き。

国産のステーキなら全部“おいしい”です。A4ランクの肉とA5ランクの肉の違いも味ではわからないし、松坂牛と村上牛の違いもわからないでしょう。

どっちも最高においしい。

でも料理人はそれだけではなく、合う付け合わせの野菜とかも知ってるんでしょう。(わかんないけど。)

細かい違いはよく分からないし、自分の好みさえわかれば、細かいことはわからないほうがいいとも思っています。

だって細かいことに気付いちゃうと苦しいときもあったりしますしね。

絶対音感の人がそうみたいに。

わからないほうが幸せだってこともある。

美容室の場合はどうか??

《美容師の場合》は感覚を鍛えるべきですよね。

お客さんの髪を担当する以上、自分の技術、感覚をある程度で止めてしまってはお客さんに対して失礼。

プロとしては感覚も技術も常に磨くべきです。

お客さんより敏感な感覚は必要です。(変化に気付く視覚や髪を触ったときの触覚、美的感覚など・・・。)

デザイン、手入れ、骨格、肌色、ファッション、周りからの見られ方など髪の毛に関する印象の違いなどは山ほどあります。

とはいいつつも時代や年代によって評価されることも違うし、美容師の中でも正解があるわけでもなく、美容の感覚を枠に当てはめるのも難しいのですが。

一方《お客さんの場合》は自分の好みを把握できていたらいいですよね。

正解がない感覚を追い求めすぎるのは結構苦しいので美容師におまかせしましょう。

美容師の間ではよく言われますが、《お客さん的に満足だったらそれが正解》なんです。

それが例え、めちゃくちゃダサい髪型だったとしても。(←おいっ!!)

《きれい》、《かわいい》、《かっこいい》にはっきりとしたボーダーラインはありません。

一般的に(多数派でみれば)前上りのボブと前下がりのボブを比べれば、前上りのボブはかわいい、前下がりのボブはきれいですし、前髪もありとなしではある方がかわいい、なければきれいです。

レイヤーが高く入っていたりすれば《かっこいい系》ですがお客さんがそれを「かわいい」といえば、美容師はそのお客さんを(これがかわいいっていう感覚なんだな、ふむふむ)と理解する必要があります。

あとは、違う種類のトリートメントをやったときに、まず違いに気付くか、気づいたならどっちが好きかなどがわかれば今後スムーズです。

《しっとり》と《サラサラ》に正解はありませんし、値段が高い方がすべてにおいて優れているということもありませんしね。

お客さん自身が「前回と今回のどっちのトリートメントがいいかわからない」となったときに、美容師から見た髪の変化、手触り、色持ちなどをチェックしたときに美容師としてアドバイスできるくらいの感覚は必要です。

もちろんトリートメントの効果だけではなく髪型、髪色、髪質、頭皮、お客さんのいままでの感じ方などを考慮して。

同じメニューでもやりかたは様々

美容師は髪の専門家だからこその知識も持っています。

《カット》と呼ばれるメニューはすべての理美容室にあると思いますが、カットのゴールはお店のコンセプトやお客様の要望によって様々です。

同じスタイルを切る場合でも、美容師によっては使う技術やハサミは人それぞれ。

“刈り上げ”だってシェーバーでやろうがハサミでやろうが仕上がりがきれいになればなんでもいいのです。

最終的に要望通りになれば過程は重要視されません。

《カラー》もそう。

同じ色を目指すにしても、美容師が違えば、薬の配合も違えば、塗る順序だって違うこともあります。

丁寧にやってもきれいになってなかったらそれは失敗。

技術は結果がすべて。

だから光の当たり方や電球の色なんかも考える場合もあります。昼と夜では見え方全然違いますしね。

《トリートメント》と呼ばれる薬には表面しか付いていないものから内部までしっかり栄養が届くようなもの、ダメージを軽減するもの、色持ちをよくするもの、薬剤の刺激やにおいを除去するものなどさまざまです。

でも世間では《トリートメント=ツルツル》だけ独り歩きしています。

いろんな可能性があるトリートメントを知識ある美容師側が当日のメニューによってベストなものを提供していくのがいいと思うんだけどなかなかそのやり方は浸透していきません。(苦笑)

同じメニュー名でもさまざまですね。

最後に

上記で書いた以外にも知識のある専門職だからこそ、お客さんとの感覚(知識?)の違いが出ることもあると思います。

「一回のカラーで白っぽくしたい」とか、「このトリートメント、2か月持ちますか??持ちますよね?」とか、「シャンプーでくせがなくなって縮毛矯正しなくていいようにしたいんですけど。」、「カラートリートメントで白髪染めなくてよくなるんですよね??」

みたいなこと言われることもあります。

たぶん広告とかで見たんだと思うんですけど、美容師からしたら現実的ではないのです。

「プロなんだからいけるでしょ?ねぇ!!」みたいなプレッシャーを与えられることもありますが、プロから見て無理なわけだから現実的ではないんです。

お客さん的には信じてますよね、それはSNSの投稿だったり、CMでいかにもシャンプーですべてが解決できそうな言い回しをしてるから信じちゃってもしょうがない。

けど、残念ながら無理。

美容師は髪の悩みの解決のためにいるわけだから、もし簡単に髪の悩みが解決できるアイテムが発売されたら自分の売り上げが減ろうが喜んでおすすめする!けどほとんどが全然根本の解決にはならないやつ。

その、できるできない判断も担当の美容師に聞いてみればきっと答えが返ってくるはず。信頼できる美容師ならなおさら。

商品だけではなく、最近だと《白髪ぼかし》とかの脱白髪染めみたいなのが流行ってはいますが、色落ちしたときの状態はあまり知られていません。

デザインは素敵ですし、明るさや色の幅も広がるのでいいよなぁ、と思いながら色落ちしたらめっちゃ明るいから「会社勤めの人は実際難しいよね・・・。」って思ってます。

そこらへんも正直に、仕上がりだけじゃなくて今後どうなりたいかっていうのも含めて提案していきます。

最近はインスタで確実にハードル上がってるし、なんでも簡単にできちゃいそうな感覚に陥るけど、まずは現実に戻ってもらって的確に施術するところから目指しています。

6時間とかかかってる技術が1分の動画になっていたり、写真にまとめられていますからね、そりゃ簡単にできると思われても仕方ないけど、実は結構な難易度。

まずはそこの説明から。

だからカウンセリング長くなりがち。

がんばります。

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